牛乳と猫スーツ。
「フッ。あはは。バカなこと言ってないで、早く帰るよ。」
笑う蓮に、直樹はドキッとしてしまう。
「(俺、やっぱり蓮さんが好きだ。)」
一緒に歩きながら、心の中で呟く。
この日、直樹は蓮に恋をした。
………………。
…………。
……。
【次の日】
授業が終わった後、直樹は遥と屋上に待ち合わせしていた。
「直樹、どうしたの?」
「ああ。話があるんだ。前は曖昧な断り方したけど、今度は違うんだ。好きな人ができた。だから、遥とは付き合えない。」
遥は驚いた。直樹に好きな人ができたからである。思い出の女の子を捜し出すまで聞けないと思った言葉。
「そっか…。あはは…二度フラれるなんてね。」
「ゴメン…。」
「うん。わかった。」
自分に言い聞かせるように頷く遥。
「遥のためにも、ちゃんと答えを―――」
「私、愛人になる!」
遥の言葉に、直樹は世界が止まったかのような感覚になる。
「え?」
「愛人王に私はなる!!」
遥がグッと拳を握る。
「ないから!愛人王とかないから!!」
「で。相手は誰なの?言っておくけど、隙の多い女なら―――」
「蓮さん。」
直樹の言葉に遥は世界が止まったかのような感覚になる。
「(隙無いじゃん!?手を出したら、こっちの身が心配よ!!)」
想像して冷や汗を流す。