牛乳と猫スーツ。
67…恋するハートは止まらない。
遥の愛人宣言から数時間後。直樹は男子寮の悠斗の部屋にいた。
「へ?」
ドバドバと、飲もうとしたプロテイン入りのスポーツドリンクが床に落ちていく。
「いや、だから蓮さんのことが―――って悠斗、こぼれてるから。」
「おっと。」
直樹が指摘して、ようやく悠斗がスポーツドリンクをテーブルに置き、床を拭く。
「それで、蓮さんのことが好きになったと?」
「そう。」
数分間、沈黙が続いた。
「それって恋か!?」
悠斗が飛び跳ねて驚く。
「だからそう言ってるんだけど…。」
それを聞いた悠斗の顔が見る見るうちに嬉しそうになる。
「いいじゃねぇ〜か!まさか直樹が恋するなんてよ、夢にも思わなかったぜ!」
直樹に抱きついた悠斗は、良かったと何度も言いながら少し涙目になっていた。
「ところで彩華には話したのか?」
「話してないけど?遥もだけど、どうして彩華さんが出てくるんだ?」
首を傾げる直樹。
「(やっぱり気づいてないのか。まあ真里香の好意にも気づかなかったし、昔から鈍かったからな。)」
とりあえず彩華のことは置いておくことにした悠斗。