牛乳と猫スーツ。
大島さんが視界から消えた。
「えぇぇぇ!?大島さ〜ん!?」
大島さんが立っていた場所に穴が空いていた。
「大丈夫!?大島さん!おい、柊!ワイヤーで引っ張り上げるぞ!」
直樹が後ろにいる真里香に言うが、返事がなかった。直樹が振り返ると、真里香も穴に落ちていた。
「だ、大丈夫か!?柊〜!!」
「大丈夫と言えば大丈夫ね…。ただこの年で落とし穴なんかに落ちるとか思わないでしょ?なんか滑稽じゃない…?」
真里香は穴の中でうなだれていた。
「とりあえず早くワイヤー出して、上がってこいって!」
「しばらく1人にしてくれないかしら…。」
すごいネガティブだった。
その様子を見る者がいた。
「全国特別妹法。第19状、兄を狙う女は落とし穴、もしくは水風船の刑。第152状、兄をストーキングする女は、初犯なら落とし穴、常習犯ならデストロイ可能。今日は初犯のようです、命拾いしましたね。」
そしてまた双眼鏡を覗き込む。
「どうかしたか?直樹くん。」
菫が白猫と一緒に歩いてきた。
「菫さん!なんかいきなり落とし穴が発動して!それで、大島さんと柊が落ちちゃって!」
「そうか、とりあえず2人を助けないとな。」