牛乳と猫スーツ。
「ところで直樹、妹さんは家に帰るのか?」
「あのリュックサックを見る限り、学園に泊まる気ですね。昔、友達の家に泊まりに行ったときに、少し離れた空き地にテント立ててましたから…。」
直樹がドアの近くに置かれているリュックサックを開けてみると、彼が思った通り、テントがあった。
「まあ、野宿されても困るからな。ここに泊まるのを許可するよ。私のベッドを使うといい。」
「それは会長に悪いですよ。これ以上無理を言うわけにはいかないですよ。」
そのとき、バンッと大きな音を立てて寝室のドアが開いた。
「一緒に寝るから大丈夫です!兄妹ですから!!安心してください、会長さん!」
さっきまで青ざめた顔をしていた美樹が、キラキラと目を輝かせていた。
「美樹、何を言って――――――ぐふぇ!?」
ドスッと鈍い音と共に、直樹の鳩尾(みぞおち)に美樹の肘がめり込んでいた。
「さあ、もう寝ましょうね、お兄ちゃん。それでは会長さん、おやすみなさい。」
美樹に引きずられて直樹は寝室に連れて行かれた。
「おもしろい兄妹だな…。」
会長席に座り、蓮が書類整理しながら呟いた。