牛乳と猫スーツ。
「とりあえず、私が保管しておくよ。アイツに頼めば分解してくれるだろうしな。」
「ありがとうございます、会長さん。」
礼すると同時に、美樹の服のポケットから曲がながれる。
「すみません。―――――はい。あ、お母さん。うん、うん。え!?」
母親から電話。もしかすると、美樹を連れ戻しに来るかもしれないと、直樹は思っていた。
「なんでも次の行き先の前に日本に寄るらしくて、もうすぐ近くに来るから戻ってきなさいって…。」
「なんてタイミングだよ…。流石は幸運を持つ母親だ。」
なぜ子の直樹には幸運は受け継がれなかったんだろうか?
「直樹も一緒に行けば、旅行に参加できるんじゃないか?」
「それが3人でって登録したらしいんですよ。それに、ここの生活も楽しいですから。」
「そうか、それならいいさ。それじゃあ、私がバイクで送って行こう。」
引き出しから、バイクのカギを出して蓮が言う。
「すいません、色々と。」