牛乳と猫スーツ。



「別にいいさ、そんなに遠くはないしな。代わりと言ってはなんだが、机に置いてあるプリントを仮設寮の部屋に入れて回ってくれないか?」




机を見ると、束になったプリントが置かれていた。






「わかりました。この量だと、配り終わる頃には会長も帰ってきますね。」




「暇潰しには、ちょうどいいだろ?」





蓮はステッキを机に置き、プリントを直樹に渡す。







校門まで美樹を見送り、プリントを寮の部屋に配って回る直樹。




配り終えて学園に戻ろうとすると、聞き慣れた排気音が聞こえて振り返ると会長が後ろからきた。




駐輪場まで乗せてもらい2人で生徒会室に戻ると、あるはずの物が無かった。






「あれ?魔法ステッキがない!?」




無くなっていたのは魔法ステッキだった。






「会長、どうしましょう!?」




「落ち着け。前にも言ったが、並大抵の想像力ではアレは使えない。そもそもアレが妄想実体化装置だなんて、誰もわからないさ。」





「確かにそうですね…。」



直樹が蓮の言葉に安心していると、廊下の方が騒がしくなっていた。
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