牛乳と猫スーツ。
そう言って、会長席の近くの棚からダンボールを取り出して持ってくる。
「あったあった。コレだ。」
菫が取り出したのはハリセンだった。
「菫さん、それ刀じゃないですよ…。」
「直樹くん、コレはただのハリセンじゃない。蓮が昔使っていた武器だよ。その名も成敗ハリセン。」
なぜハリセンなんかを使っていたのだろうか。しかも成敗…。
「スミレ、このカタナはど〜やって使うの?」
「それはな、まずここのテープを剥がすんだ。」
ハリセンの上半分についていたテープをペリッと剥がす。
「よし、エリーゼ。試しに直樹くんを斬ってみろ。」
「叩くの間違いですよね、菫さん。」
「ナオキ、斬ってもイイの?」
エリーゼが心配そうに聞いてくる。
ハリセンだし大丈夫だと思い、直樹は許可した。
「エリーゼ、切るときには『成敗』と大きな声で言うんだぞ。」
「わかったヨ、スミレ。いくよナオキ!成敗ッ〜!!」
ペチンと音がして、直樹の額に微妙な痛みが走った。
しかし、そんな事はど〜でもよくなる状態になっていた直樹。
なにやら額から鼻にかけてデカいシールを貼られているのだ。
しかも粘着部分が半分だけなので、直樹が息をするたび残りの半分がヒラヒラとなびく。