牛乳と猫スーツ。
ドンッという音と共に生徒会室のドアが開き、そこには蓮の姿があった。
「はぁ、はぁ…。……エリーゼは…?」
「今飛び出して行きましたけど…。」
「縛ってでも止めておけと言っただろ〜!!」
「あ……。」
………………………。
………………。
………。
自販機近くで子猫が鳴いていた。
「アララ?どうしたのカナ、子猫チャン?」
その子猫は少し痩せていた。
「お腹スイテるのカナ?ン〜?エリーゼ、日本のマネー持ってナイんだよ…。」
財布を開けてみても日本円の姿は無く、ドルやユーロの紙幣しか見あたらない。
「そうダ!こんなトキこそ、不思議な道具のデバンだよ〜!!」
エリーゼがポケットから蝦蟇口(がまぐち)から、微妙に削られたコインを出す。
「マネーが無いときは、500エン硬貨と同じ大きさ、重さに調節された、このコインが役に立つヨ〜!!」
【注意、犯罪です。】
コインを入れて牛乳を買い、食堂で小さな皿を借りて子猫にあげる。
「それじゃあ、子猫チャン。エリーゼは先を急ぐから、ココでお別れネ。」
子猫に手を振りながら、エリーゼは走り去る。