牛乳と猫スーツ。
「雨がだんだん強くなる〜♪」
シャワーの音が雨音のように聞こえる中で、優華が歌っていた。
文化祭で蓮が歌っていた曲だった。
「(ん…。)」
目を開けると、暖かいシャワーが体に当たっていることに気づく。
「(なんでシャワー?いつ風呂に入ったんだろ…。)」
キョロキョロと周りを見回す。いつも使っている部屋の風呂とは違った。
「ん?起きた?今キレイキレイしてるからね〜。」
「(は?)」
意味が分からず、振り返ろうとする。
「!??」
チラッとだけ優華の姿を見て、全力で前を向く。
「(み、見てしまった!!)」
直樹は顔を真っ赤にしてうつむく。
風呂に服を着て入る人なんていない。幼稚園児の男の子を異性としては見ないのだろう。優華はタオルすら巻いていなかった。
「はい、こっち向いて〜。」
くるりと直樹の体を回転させる。
ちょうど直樹の目線に、優華の小さな膨らみがあるわけで。
「!!?」
とっさに下を向く直樹。
「っ!?」
なぜ下を向いたのだろうかと、自分のバカさ加減に呆れて、右を向いた。
「(ゴメン、優華さん!すみません、会長…。)」
心の中で2人に謝罪した。