牛乳と猫スーツ。
ガサガサと物音がする事に気がつく。
ちょうど今見ている方向からだった。
見ている方向にはドアがあった。
そして人影が見えた。更にその人影には見覚えがあった。というか、これほどロングのポニーテールの人など1人しかいない。
「優華〜!私にも、その子洗わせて〜。」
ドア越しに彩華が言った。
「もう体洗っちゃったよ、姉さんは頭洗ってあげて。」
「は〜い!」
元気良く返事をする彩華。
「(ち、ちょっと待て!入る気!?)」
すでに優華だけで疲労困憊の状況なのに、彩華が入ってきたら完全に逃げ場がなくなる。
おそらく2人に囲まれて、人形のように弄ばれるだろう。
「(マズイ…非常にマズイ!!)」
「入るよ〜。」
直樹の不安をよそに、ポニーテールを解いた彩華のシルエットが近づいてくる。
「(待て!待ってくれ!ホントにもう限界なんだよぅ……。)」
ガチャッとドアが開き、彩華が入ってくる。
彩華はタオルを持っていた。
しかし頭に乗せていた…。
「(意味ねぇ〜!!)」
心の中で叫ぶと同時に鼻血が吹き出した。
「だ、大丈夫!?」
「私、何かした!?」
慌てた2人が直樹に駆け寄る。