牛乳と猫スーツ。
「お姉さんは菫って言うんだ。キミの名前は?」
「わかんな〜い。」
ブンブンと大きく顔を振って直樹が言う。
「困ったな…。名前がわからないなんて。」
「警察に捜索願が出ていないか聞いてみましょう。」
「はい、そうしま――――――あっ!?」
菫と結子が話している間に、直樹は部屋を出て行ってしまった。
………………………。
……………。
……。
【売店・ATM】
「今月も魚の売れ行きが良かったから、かなりお金が入ったな。」
沙織がお金を預金していた。
「おねーちゃん、なんでパンツはいてないの?」
「ん?」
後ろから話しかけられて沙織が振り返ると、小さい直樹がいた。
「安心しろ、ちゃんとはいているよ。」
「でもお尻見えてたよ?」
「これは大人っぽさとエロスを兼ね備えたT………私は子供に何を教えようとしているんだ。いかんな、これだから直樹に怒られてしまうんだ。」
下着の名称を言いかけて、踏みとどまった。