牛乳と猫スーツ。
「そうね、それもあるわ。でもまだ理由がある。」
「な、なんです?」
「自分の代わりよ…。」
「!?」
真由香の言葉の意味を理解した睦美がビクッと震える。
「だから私は、蓮の負担を減らすの。蓮にはまだまだ頑張ってもらわないとね。」
「…………。」
睦美は何も言えなくなってしまった。
「じゃ、いってくるね!む〜ちゃん。」
いつもの笑顔に戻った真由香は正面玄関へ、くらい闇へと消えた。
………………………。
……………。
……。
【無名県・北東部】
AM1:42。政府専用の港近くの無人地域を巨大なトラックと、それを守るように数台の装甲車が走っていた。
「そろそろ無名大橋でガキ共は討伐部隊と戦ってる頃か。あの数相手じゃ、もう死んでるな。」
トラックの助手席に座る男が呟く。
「油断するな。そのガキ共に北部の守備隊と施設をやられたんだぞ。」
ハンドルを握る男が注意する。
「たった1ヶ月で全滅したって話か?冗談だよ、実験にミスってガキ共のせいにしてるのさ。大体、お偉いさんもガキ共も、なんでこの積み荷に執着するんだ?」
煙草に火をつけながら話す。