牛乳と猫スーツ。
「いや、確認しなくていい。視認した。」
『グオオオオオオオ〜ッ!!』
火柱が立つ中から、獣の唸り声が聞こえた。
「れ、蓮!積み荷が動いてる!」
後ろに控えていた伊織が蓮に駆け寄る。
「ああ、確認した。どうやらパイロットを搭乗させていたようだ。」
蓮と伊織の目線の先に、積み荷が姿を現す。
「な、なに?ゴリラ?」
伊織が呟いた通り、それはゴリラの姿をしていた。氷のジェノサイド同様のロボットである。
「今までは武装していたタイプが多かったんだが…。これは格闘用だな。あのデカい手で殴られたら痛そうだ。」
「冷静に分析してる場合!?作戦の第一段階である輸送隊の排除は完了…。第二段階は積み荷の鹵獲(ろかく)だけど…。」
「作戦は変えず、鹵獲を目標に置く。多少破損してもかまわない。」
『銃口の冷却完了。各部パーツに異常無し。いつでもいけます、マスター。』
黒猫スーツのAIであるクロ(KURO)が報告する。
「伊織、部隊に攻撃命令を出せ。ヤツの反応を見る。」
「了解。1番隊、攻撃開始!」
インカムをセットして、部隊に命令する。