牛乳と猫スーツ。
「伊織、ついてこい。アレを停止させる。」
「私が前でいい?」
「ああ、お前の動きに合わせる。」
伊織が走り出し、蓮がその後ろをついて行く。
『グオオオオ!!』
ロボットが右腕を振り上げて、殴りかかる。その前に伊織が半身半立ち(体を横に向けて立つ)していた。
ロボットの拳が伊織に当たる瞬間…。
ドゴッ!!
なぜか拳はロボット自身に当たっていた。
『グガガガガッ!?』
自分の拳を受けて、ロボットが後ろへ下がる。
「もう終わりじゃないでしょう?」
クスッと笑って手招きする。
ロボットはもう一度殴りかかるが、また自分に当たる。
合気道をベースに、独自に進化させた我流術。合気道は護身術で攻撃を受け流すが、伊織の場合は攻撃を相手に返す。
「我流術・リフレクト。私に攻撃を当てたいなら、蓮位の速さで攻撃することね。」
ロボットは腕をハンマーのように振り下ろす。しかし伊織に当たる瞬間に弾かれる。
バランスを崩し、後ろに倒れるロボット。その倒れ込む位置に蓮がいた。
「リミッター解除!!」
『了解。左腕部のリミッターを解除します。』
ブチッと左腕から、何かが切れた音がする。
「おらああぁぁ〜っ!!」
ロボットの背中に拳を打ち込む。
『グガガオオオオオ!?』
背中に大きなへこみができ、断末魔の叫びを上げて、ロボットが真上へ吹き飛んで落下し、動かなくなった。