牛乳と猫スーツ。



【無名大橋】




「増援はどうなってる!?なぜ来ないんだ!」




「獣人に足止めされているそうです!」





「子供2人に押されているなんて、上に何と報告すればいいんだ!」



後衛にいた別のリーダーがトラックを殴る。







「ん?銃声がやんだ…。」



さっきまで鳴り響いていた銃声がやみ、静寂が訪れる。







「勝った、勝ったんだ!」



新人の男がヘルメットを取り、満面の笑みを浮かべて喜ぶ。






「落ち着け、すぐに撤収準備だ。」





「やった、終わった〜!!これで家に帰れる。娘に会え――――ガバッ!?」




リーダーのヘルメットに血がかかる。目の前で喜んでいた新人の男の口から、黒い刀身の刀が飛び出していた。






「ああ、終わったな。貴様の人生が。」




ピクピクと震える新人の後ろの影の中から、大量の返り血を浴びた菫が出てきた。







刃を上に向けて脳天に向けて刀を勢い良く斬り上げる。血と血ではない物が飛び散り、新人が倒れる。






「ば、化け物…。」




リーダーが後退り、トラックにぶつかる。







「そうだな、私は化け物だ。でも蓮は綺麗と言ってくれたよ…。」




刀を両手に持った菫がゆっくりと歩き出す。






「た…助けて、助けてくれ…。」





「バカな政府の下についた己を恨め。」




まるで獲物を食い散らかした後の龍のような菫。それが男が見た最後の光景だった。






刀を収めて、菫は月を眺めていた。




「蓮の方も終わったようだ、帰るぞ菫。」





「ああ…。」





………………………。





……………。





……。
< 674 / 1,131 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop