牛乳と猫スーツ。
【無名大橋】
「増援はどうなってる!?なぜ来ないんだ!」
「獣人に足止めされているそうです!」
「子供2人に押されているなんて、上に何と報告すればいいんだ!」
後衛にいた別のリーダーがトラックを殴る。
「ん?銃声がやんだ…。」
さっきまで鳴り響いていた銃声がやみ、静寂が訪れる。
「勝った、勝ったんだ!」
新人の男がヘルメットを取り、満面の笑みを浮かべて喜ぶ。
「落ち着け、すぐに撤収準備だ。」
「やった、終わった〜!!これで家に帰れる。娘に会え――――ガバッ!?」
リーダーのヘルメットに血がかかる。目の前で喜んでいた新人の男の口から、黒い刀身の刀が飛び出していた。
「ああ、終わったな。貴様の人生が。」
ピクピクと震える新人の後ろの影の中から、大量の返り血を浴びた菫が出てきた。
刃を上に向けて脳天に向けて刀を勢い良く斬り上げる。血と血ではない物が飛び散り、新人が倒れる。
「ば、化け物…。」
リーダーが後退り、トラックにぶつかる。
「そうだな、私は化け物だ。でも蓮は綺麗と言ってくれたよ…。」
刀を両手に持った菫がゆっくりと歩き出す。
「た…助けて、助けてくれ…。」
「バカな政府の下についた己を恨め。」
まるで獲物を食い散らかした後の龍のような菫。それが男が見た最後の光景だった。
刀を収めて、菫は月を眺めていた。
「蓮の方も終わったようだ、帰るぞ菫。」
「ああ…。」
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