牛乳と猫スーツ。
「ごめんなさい、お姉様…。私、ここにいたい。」
「ようやく自分の意識で決めたわね。あなたはいつも私の言う通りにしかしないから…。ここで、よく学びなさい。」
「はい……。」
返事を聞いた円は部隊と一緒に鳳凰学園へ帰って行った。
……………。
………。
…。
【保健室】
そこには、ベッドで眠る蓮と沙織。そして、かなめと知佳がおり、顕微鏡を覗いていた。
「どうだ?」
かなめが煙草に火をつけながら知佳に聞く。
「完全にDNAに結合してる。もう性別の転換は無理ね。」
「性別を逆転させて、ウイルスを遠ざけて寿命を延ばす。普通じゃ考えられん発想だ。さすがは天才と言われるわけだ。」
「ちぃは天才なんかじゃないわ…。友達の寿命を、たった5年しか延ばしてあげられなかった。」
「しかし君がいなければ、中学の時に蓮は死んでいた。たった5年でも、蓮には掛け替えのない時間だったはずだ。」
大きく煙草を吸い、煙を吐き出す。
「蓮を家に帰すか?私から理事長に言えば、すぐにでも…。」
「さっき両親に連絡したわ。『あの子の好きにさせてほしい』って。」
「そうか…。それで、後どれくらい生きられる?」
「設備の整った病院に入れば、来年を迎えられる。普通に生活すれば5ヶ月。力を使い続ければ2ヶ月あるかないか。でも全て仮説。ウイルスが活発に動けば、さらに短くなると考えられるわ。」
顕微鏡から目を離して話す知佳。