金髪ヤンキーと保健室の変人は。



ガン!!



半開きにされた鉄の扉を
殴る音が静かな空間に虚しく響く。


その音にビクリと震えたのは
美胡の肩。



[帰らないっていうんなら‥―]



くいっと美胡のあごを持ち上げて
その頬を撫でれば

冷たい感覚が俺の手を伝う。


唇を噛み締めて
見上げる強い意思をもった瞳に涙に

俺は、どうしても動けなかった。



< 147 / 240 >

この作品をシェア

pagetop