金髪ヤンキーと保健室の変人は。



(あれ?先生‥)



保健室の前を通り過ぎるとき
開いたドアの隙間から見えたのは

見慣れた先生の後ろ姿。



[‥‥‥ッッ。]



その背中にまわされている腕は
明らかに女の子のもの。


もしかして、朝
八城くんと一緒にいた子?


八城くんは一体なにがしたいの‥‥?


息が苦しくて
鼻がツンてする。



そんな光景を見て、とてもじゃないけど
職員室に行く気分にはなれなかった。



――‥‥



制服のシャツがぺたりと肌に
はりつく感じが気持ち悪い。

本当、なんで傘持ってこなかったんだろ。



[あーあ‥‥。]



雨と一緒に流れていく涙は
止まることがない。



< 207 / 240 >

この作品をシェア

pagetop