金髪ヤンキーと保健室の変人は。
(あれ?先生‥)
保健室の前を通り過ぎるとき
開いたドアの隙間から見えたのは
見慣れた先生の後ろ姿。
[‥‥‥ッッ。]
その背中にまわされている腕は
明らかに女の子のもの。
もしかして、朝
八城くんと一緒にいた子?
八城くんは一体なにがしたいの‥‥?
息が苦しくて
鼻がツンてする。
そんな光景を見て、とてもじゃないけど
職員室に行く気分にはなれなかった。
――‥‥
制服のシャツがぺたりと肌に
はりつく感じが気持ち悪い。
本当、なんで傘持ってこなかったんだろ。
[あーあ‥‥。]
雨と一緒に流れていく涙は
止まることがない。