金髪ヤンキーと保健室の変人は。



[違う‥!!]



"違くないだろ?嘘はよくねーな。"



[ごめ、んなさい‥]



"‥‥謝んなくていいから今すぐ
帰ってこい。頼むから‥"



[‥‥ッッ。分かった]



帰れない、とはどうしても
兄ちゃんに言えなかった。



"じゃあ待ってるからな"



プチン。

通話の切れた携帯を右手で
握りしめて大きく深呼吸をする。



(荷物、まとめなきゃ‥。)



荷物といっても
本当に必要最小限のものしかない。


もともと、あたしが勝手に
この家に転がりこんできたんだから

出ていく時は、あたしから。



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