Distance.....



焼き肉屋を出て解散しそれぞれの方向に向かう。



「彩志、今日泊めて!」



春斗がついてきた。



「めんどくさ!」



と苦笑いしながら家路につく。



春斗は入店が同期だ。



人懐っこい笑顔とハイテンションな接客で色んなお客さんから好かれる春斗。



「彼女とケンカでもしたんか?」



急に泊まりにくると言いだした春斗が心配になった。



新人のころ一緒に住んでたから春斗が泊まりにくるのはべつに苦じゃない。



「シスコンが心配なだけ。たまには腹割って話せよ。」



真剣に言われると冗談では返せない。



「ありがとうな。」



それが精一杯の返し。



「ほんま重症やな。美桜ちゃんが他店のホストと来るなんてしょっちゅうあるのに。」



「そうやなぁ。」



自分でもなにがこんなにモヤモヤしてるのかわからない。



美桜はいくつかの店に通っている。



それは前からで今さらイラだつことじゃあない。



なんだろう。



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