LOVE〜強さに隠した涙〜


沈黙を破ったのは、意外にも幸恵だった。

「さっきから気になっていたんだけど…"龍蛇"て何なの…?」
「オバサン知らねぇーの!?」
「最近のものには疎くて…」
「龍蛇っつーのは、"族"の名前だ。駿さんが総長なんだぜ」
柊は得意げに言い切った。

「で、その駿という人が望夢ちゃんを捜してるのよね?
 望夢ちゃんとその人は、どんな関係があるの?」
「さぁ?ンな事知らねーよ。そいつに直接…――」
『駿さんは…』
柊の言葉を遮り、望夢が言った。
『駿さんは………、
 アタシの兄貴だよ。血は繋がってなくてもアタシの兄貴だ。
 少なくとも、アタシはそう思ってる』
「兄貴…ねぇ…」

柊は、小さく呟いた…。

< 158 / 165 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop