LOVE〜強さに隠した涙〜


      *  *  *

俺は、いつも、一馬と一緒に居た。
笑う時も、泣く時も、喧嘩する時も、俺の隣に一馬は必ず居た。そして、一馬の隣には必ず俺が居た。


中1最後の日。
一馬は俺の前から居なくなった。
突然の転校だった。
何の挨拶もなく居なくなった。







その日は、ダチとちょっと遠くまで遊びに行っていた。
すると、見覚えのある奴が居た。そいつが誰なのか、直ぐに分かった。
一馬だった。

しかし、一馬の隣には小柄で鷹の刺繍の入ったスカジャンを着た女、望夢が居た。


正直、複雑だった。
一馬が幸せそうに笑ってたから…。
けど、寂しい気もした。
俺から一馬が離れていきそうで…。


それから、一年後の事だった。
一馬の死を耳にしたのは…。



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