LOVE〜強さに隠した涙〜
第3章 一馬の想いと友哉の決意

一馬の想い…



チャイムが鳴り、そろそろ教室に戻ろうと起き上がった。
タバコをくわえ、教室に戻ると担任の橘が何やら話している最中だった。
しかし、聞いている者など一人として居ない。
席に着こうと、足を進めると

「おい、織田!何だその煙草は!!」
さっきまで話していた橘がこっちを見て怒鳴っていた。それを無視し、自分の席へ向かった。途中で煙草を落とし、上履きで火を消した。

しかし、無視されたのが余程頭にきたのか、席に近付いた頃、
「おい!!教師嘗めてんのか?」
と再び怒鳴ってきた。
『やる気のねー教師が、こういう時だけ教師面すんなよ…』
と呆れ気味に言う。そんな緊迫した空気の中、間抜けな声が聞こえてきた。
「まぁまぁ、先生も大人気ねーよ!?こんな事でキレたら」
その声の主は紛れもなく佐野友哉だった。橘は仕方なさそうに教卓へ戻って行った。


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