Q-2nd-
進級
彼女が歩く廊下は静まる。
誰もが注目する。
誰もが恐れ、誰もが信用している彼女。
『菅原涼歌』
この学校のすべての権限を持っている、Qという存在。
彼女が来ると、すぐにわかる。
廊下が静まる。
――来た。
俺の、彼女が……。
「おはよう。お久しぶりね、ウサギさん」
「……はい」
実際には一時間ぶりだ。
相も変わらず迎えに行ってるし、彼女って存在だから、春休みも週1以上は会ってた。
でも、俺の彼女だってことはみんなには言えない。
会っていたことも、言えないんだ。
「突然だけれど、ウサギさん」
「はい?」
「用心棒から奴隷に格上げしてあげるわ」