なにもないこいものがたり
*-*-*
>>歩side
*-*-*-*


窓からサナの姿が見えます。
カバンを肩から下げて、手には黒い袋
門の近くに止まっている車に乗って、姿は見えなくなりました

「‥行ってらっしゃい」


こうやって窓から外を見て、サナを見ている。日課みたいなものになってしまいました


本当は、サナの隣に私がいたはずなのですが


「どしました?歩」

じぃやがいつの間にか私の隣に立っていらっしゃいました。
いつもの癒される笑顔


「あたしも、一緒に高等学校に行きたいなと思ったんです。」

「そうですか」


そう言って頭を撫でてくれるじぃや
いつもいつも、じぃやは優しいのです


「頼んでみてくれはしませんか、じぃや?」

「‥え?」

「あたしも、行きたいです!」



サナと同じ高等学校にっ!



< 12 / 35 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop