なにもないこいものがたり

「おは、恵と榛」

教室に行くと、クラスメイトの女子の肩を抱いて喋ってる野郎がいた

「朝から何危ない雰囲気、かもしだしちゃってんのよこの馬鹿」

「あたしは悪くない、誘ってんのこっちだし」

そう言いながら、肩を抱いてる女子の頬に軽く口付けした
顔を赤くして「もーう!」とか言いながら体をバシバシ叩かれながらニヤニヤ笑ってるこいつを殴りたい


「何か羨ましい通り越して、ウザいなあいつの場合」

自分の席にドカッと座って恵都がそう言った
まあ確かに、言う通り。


「今日、二人とも早くない?」

「気のせい、いつもと同じ」

ムスッとしながら、顔も見ず携帯をいじりながら答える恵都

「何〜、妬いてんの?」

「はっ、だーれが!」

ハアとため息ついた
俺に助けを求め出す、10秒前


「榛〜‥」

「知らんがな」


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