なにもないこいものがたり
「とりあえずさ、話終わった?
いい加減俺の話も聞いちゃって欲しいんだけど」
気付けば俺達の真ん中に真弥が立ってた。
めっちゃ不機嫌な顔して
「恵都はとりあえず座れ!榛はニヤニヤすんな!優はいい加減山科離せ!山科は現実に戻ってこい!話続けんぞこらー」
俺達四人の頭を順番に出席簿の角で叩くだけ叩いて、教卓の方に戻って行った
つか、痛ぇ!
角痛ぇ!容赦ねぇよまじで!
叩かれた場所を擦りながら、隣のお嬢様を見てみると
叩かれたところを押さえて、固まってた
「‥歩?」
ボソッと名前を呼んでみた、けど返事はなく固まったまんま
「歩」
やっと気付いたのか、俺の方に顔をむける
「大丈夫か?」
コクンと頷く。
顔はまだ真顔に近いまんまで固まってるようだ
「久しぶりに、頭を叩かれました」
だろうな…
ご主人様は最近、忙しいのか中々帰って来られないからな
「やっぱり角は痛いです」
ドキッ
俺にだけ、向けられるって思ってもいいんだろうか?
その笑顔‥
とりあえず恥ずかしくなって、顔が赤くなってり気がして、思いっきり顔を背けてしまった
ちょっとしてから、盗み見したけど俺が顔を背けたことなんか気にしてないようで頭を擦りながら真弥の話を聞いていた。
その横顔を見てまた俺の顔は赤くなっただろう