なにもないこいものがたり


「どしたの、それ」

「ああ、これですか?」


いきなり顔を赤くするもんだから、可愛いってつい思ってしまったけど何か俺以外のやつがこんな顔をさせてると思うと


「‥むかつく」

「‥え?」


俺はお嬢様の顔にチュッと軽くキスをした


何事もなかったように平然とコーヒー牛乳を飲んでみたけど
‥どうしよう、とうとうやっちまった


チラッと盗み見してみると、顔を赤くして固まってるお嬢様

そんな姿を見ると、自分がやってしまったこと改めて思い知らされる


穴があったら、入りたい‥
タイムマシーンに乗って、もっかいやり直したい‥


とりあえず、恥ずかしい‥


「わ、悪い‥」

「い、いえ」


顔熱い。
絶対俺、 今、真っ赤



「奢って、貰いました。」


何となく、相手なんか聞かなくてもわかってる


「優さんが‥友達になった記念に、って」


もじもじしながら、そう言った
やべー、可愛いとか言ってる場合じゃない


俺、優にまで嫉妬してる‥


「そ、っか」

としか言えなかった。
こくん、と頷いたのを視界の端っこで見えて俺はそれから後はお嬢様の顔を直視出来なかった



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