なにもないこいものがたり
この目の前のお嬢様
ただのお嬢様では、ない‥
バカとしか言いようがない
学習能力ゼロに近い
猿以外の脳ミソをお持ちの
珍しいお嬢様だ‥
「この匂い‥。もしかして今日は、オレンジジュースですか?!」
「はい、本日はお嬢様の大好きな だーいすきな!オレンジジュースですが?
「‥」
「‥おや、やはり要りませんか?朝御飯も要らないと言われましたもんね‥非常に残念です。」
窓にへばりついていた体が少し震えだした。
「じいやさん…。折角ですから、私達で頂きましょうか。」
「そうですね、榛。」
じいやさんと朝御飯の片付けをしようとするその手を握られ顔を上げると、さっきまで窓にへばりついていたお嬢様が悔しそうな顔をしていた
「どうしましたか?」
「‥ズルいです。真田は」
「何がでしょう?」
わかってるけどあえてこんなこと言う。
そんな俺も相当、性格悪いかもしれないな
「‥食べるので、片付けないで‥下さい。」
小さな声でそう言うお嬢様
こんな姿は、少し可愛いと思う
「かしこまりました。お嬢様」