なにもないこいものがたり

｢前みたいに、歩とは呼んでは下さらぬのですか？｣


っ‥ぅおっとーう！
ちょっと待とうか待ちましょか
どうしてっ、何故いつも不意討ちでそんなことをっ！


も、萌えっ‥じゃ、ないっ！
てか、萌えてる場合じゃない！


｢失礼ですが、お嬢様？お嬢様も私のことをいつものようには呼んでは下さらぬではないですか｣

｢‥歩って呼んで下さらないからでしょう？｣


ズキュゥーン！
じゃ、なく、って！！


｢呼んで欲しいのですか？｣

にやけそうになる顔を気力で必死に押さえる

首を傾げて何かを考え始めるお嬢様
‥ヤバいヤバいヤバいヤバい。
くそう、可愛すぎる。可愛すぎるっ！くそぅ！！


｢‥後、敬語も外してくださると尚 嬉しいです｣

視線を合わせず、そう言ったお嬢様
何だお前は、ツンデレか
今、デレたのか？よく分かんなかったけど、デレたのか？


心の中では飛び跳ねたり踊ったり叫んだり‥
ぅおおおおおおおーい！！


｢‥べ、別に、頼んでるわけじゃないんですからね｣


うん、分かった！
ツンデレか、うん。
ツンデレなのか、ツンツンか！