私の彼氏
真犯人

1

そして、満月の夜がやってきた。

喫茶店『ユリア』で真犯人を待つのは三木真由美である。

真犯人の可能性が高い秋山に顔を知られている山崎生徒は自宅待機である。

九時四十五分、店内には真由美と梅崎梅子しかいない。

真由美は緊張しながら、真犯人を待つ。



本当に来るのだろうか?

『ワタカレ』を読んでいなければ、来ない。

読んでいても、来ないかもしれない。

そこは、賭なのだ。


十時になった。

ゆっくりとドアが開く。




入ってきたのは、やはり秋山であった。

DVDの中で、佐竹とやりまくっていた秋山だ、と真由美はすぐに認識した。

秋山は店内を見渡し、一番奥の席に座った。

梅崎梅子が注文をとる。



数分後、真由美は意を決して、秋山の席に歩いていった。


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