私の彼氏
携帯の光が血で書かれたダイイングメッセージを照らす。

浮かび上がった文字は…。















A I




力なく書かれている。最後の力を振り絞って書いたのだろう。

「先生、書かれている文字は“A”と“I”です」

「イニシャルAIが真犯人か…」

「Aなら、青山刑事か秋山のどちらかね。後は、下の名前を調べて、Iの方が真犯人だわ」

「そうですね。先生もここに寝転がってみますか?」

「いやよ。気持ち悪い」

「ちょ、ちょっと、それ河合さんに失礼でっせ」

「冗談じゃん」

その日の捜査はそれで打ち切り、二人は家に帰った。


< 161 / 206 >

この作品をシェア

pagetop