私の彼氏
「ふむう。ピンチになることないと思うけど、一応、番号登録しておこう」

「はい。私も登録しておきます」

「グループ登録何にする?」

「…。あっ! 運転手さん停めてください」

山崎生徒が車を停車させたのは、河合亜美に捧げる花を買うためであった。

二人は花屋に寄り、再びタクシーに乗った。

五月のマンション前に着くと、ちょうど大家がいた。

「大家さん、こんばんは」

真由美が挨拶する。

「あらっ、さっそく来ていただいてごめんなさいねぇ。鳩がホロッホーホロッホーうるさいのよ。前からずっと鳩は来てたんだけど、五月さんが亡くなってからは、鳩も安心して巣を造っちゃったみたいなの。追い出してくださいね」

「はい。わかりました」

「それじゃあ、失礼」

「さようなら」


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