私の彼氏

ガチャッ


ドアが開き、青山刑事が入ってきた。

「お前たち、何をしているんだ!?」

「えっと、河合さんにお花を供えに来たんです。刑事さんは何で…」

山崎生徒がとっさに答える。

「俺はお前たちに事情を聞きに来たんだ。大家に聞いたが、勝手に五月の親戚を名乗り、部屋を借りたらしいな?」

「そ、それは、大家さんに五月の親戚と勘違いされて仕方なく…」

今度は真由美が答えた。

「そんな嘘が通用すると思うのか? 何か調べているのか? 何度も言うが、河合亜美殺害犯は五月義隆で、その五月は…」

「自殺でも秋山が殺したのでもないわ! 遺書は真犯人がここにあるパソコンでつくったものです。あなたは、五月直筆の遺書と言っていたけど、それは嘘だとわかっているのよ! あなたが、五月を殺したんですね!?」

真由美は思わず青山を問い詰めてしまった。

そして、すぐに問い詰めたことを後悔した。山崎生徒は隣で、何を言うねんこいつ、と思った。


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