私の彼氏
「探偵ごっこか…。確かに、俺は五月の遺書のことでお前達に嘘をついた。だが、それはいちいちお前達に説明するのが面倒くさかったから、嘘をついただけだ。だいいち、俺には五月義隆を殺す動機なんて全くないじゃないか? だろ?」

青山は真由美に問い返す。

「いいえ。あなたには動機はあるわ」

山崎生徒が真由美にかわって答えた。

「なに?」と青山が言った。と同時に「なに?」と真由美も思った。

青山が五月を殺す動機が何であるのか、一つの仮説を山崎生徒は持っていたのである。

「ほお、聞かせてもらおうじゃねぇか」

青山刑事はソファーに腰をおろした。

真由美は青山の目を見た。鋭い目つきで、人殺しの目をしている。下手をすれば殺されかねない。奴はもちろん拳銃も所持しているだろう。へたこいたあ、と思った。


「あなたはミラクルハードゲイですね?」

山崎が語りだした。

< 171 / 206 >

この作品をシェア

pagetop