私の彼氏
真由美がベランダを見ると、そこには一本のヒモにくくられたDVDがぶら下がっていた。

「こ、これは?」

「五月が鳩を来ないようにする為に、ぶらさげていたんでしょう。鳥は丸い光る物を嫌いますから。もっとも、効果はなかったようですがね」

「ベランダにぶら下がっていたんじゃあ、青山も発見できないはずね。さっき、車のライトを反射してたのは、このDVDだったのね」

そこに、風呂場から梅子が戻ってきた。

「パンツが乾くまで、このDVDを三人で観ようかのお」

「それはいいですね」

そう言うと、真由美はDVDをヒモからはずし、パソコンに入れた。

そこには、確かに、他人のエッチを覗きながら一人エッチする青山刑事が映っていた。

「ところで、このDVDはどうするのじゃ」

梅子が問う。

「んー。秋山のDVDはイケメンだから、販売できたけど、青山のは無理ですね。百円でも売れませんよ」
と山崎が言った。

真由美は頷き、見終わったDVDを取り出した。

そして、そのDVDをマンションの外に手裏剣のように放り投げた。


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