私の彼氏
報道から三日後、梅崎梅子は警視総監に表彰された。

真犯人青山逮捕に大いに貢献したからである。

しかし、その後、梅子は病に倒れ、入院した。

一方、真由美はこれだけ大きく報道されると、学校に行きづらくなった。ちょっとした有名人である。しかし、学校を辞めるわけにもいかず、その後も毎日のように通勤した。帰りには、いつも梅子のいる病室に立ち寄った。そこには、山崎生徒も同席することが多かった。

「いつも来てもらってすまないねぇ」

「それは言わない約束でしょ」

と山崎が言った。

「梅昆布茶持ってきましたよ」

真由美がお見舞いの品を差し出す。

「いつもすまないねぇ」

「それは言わない約束でしょ」

と山崎が言った。

「体調はどうですか?」

真由美が訊く。

「普通の人間ならとうに死んでおろうが、ワシじゃからなんとかもちこたえておる」

「へえ」

と山崎が流した。


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