私の彼氏
「梅子さん、一つ伺ってもいいですか?」

真由美が言う。

「なんじゃ?」

「どうして、青山刑事がゲイだとわかったのですか?」

「ふむ。なんとなくじゃ。じゃが、確信はしておった。実はな、ワシはハードレズなんじゃ」

「梅子さんがですか?」

山崎は驚いた。

「そうじゃ。だから、同性愛者の匂いというものが分かるのかもしれんのう」

「でも、梅子さんは結婚されてたんですよね? もしかして、レズを隠すためのカモフラージュ結婚だったのですか?」

山崎生徒が訊く。

「いや、違う。ワシらの時代は親の言うままに結婚をしなければならなかったのじゃ」

「梅子さんにそんな過去があったとは…。梅子さん、お願いがあるのですが…」

病で弱っている梅子に申し訳ないと思いながらも、真由美は梅子に申し出た。

「なんじゃ?」


< 184 / 206 >

この作品をシェア

pagetop