私の彼氏
真由美はアルバムの中のその人物を見た。
「この人は私の学生時代の男友達です。私のことを女と見ずに、一人の人間として見てくれていると思っていたら、ゲイだったのか…」

「先生、この友達を旦那さんに紹介しましたか?」

「ええ、紹介したわ。私に仲のよい男友達がいると知ったら、ヤキモチを妬くかな? と思ったんだけど、全然妬いてくれなかったのよ」

「そら、当時はゲイじゃからのう」

梅子が言う。

「先生の旦那さんとその男友達は……」

「今思えば、できていたと思うわ…。気のあった二人はよく遊びに行ってたから。私も旦那の遊び相手が男だから、安心しきっていたけど、浮気されていたのね…」

「この男の名は何というのじゃ?」

「渡辺君です。ワタナベ自動車の御曹司ですよ」

「ヒャー! 超絶お金持ちじゃないですか。最近は連絡とってないんですか?」

山崎生徒が訊く。


「……。そうね。ここ最近は連絡ないわね。少し前にメールしたぐらいかしら…………。


アーッ!!!!」

「先生、どうしました?」


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