私の彼氏
「真由美さん、オーナーも店に来るようですよ」

河合は自慢の彼氏を紹介できるのでニコニコ笑っている。

「楽しみです」そう言いながら、殺人犯と会う心の準備をした。


間もなく、五月と秋山が入ってきた。

「いらっしゃいませ。今、電話で“まゆみん”さんがいらっしゃってると聞きまして、挨拶に参りました。私がオーナーの五月で、こちらが親友の秋山です」

「こんばんは」とおそらくは殺人犯であろう男にむかって言った。

「いやあ、いつもコイツのくだらない小説を読んでいただいているようで、ありがとうございます」

「いえ、凄くおもしろいんですよ」


その後、他愛もないことを、山崎、五月、秋山、河合の四人は一時間ほど話した。

この男、頭は良さそうだが、とても人を殺すようには見えない。普通のオシャレなイケメンだ。五月は四十歳、秋山が四十五歳。

今のところ、それだけしか情報収集ができていない。


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