私の彼氏
「確かに、イイ女ね」

「ですね。89点」

と山崎は評した。

「わたしは?」

と真由美。






「んー、97点」







「単位を差し上げます」




この時間、まだ始発はない。河合亜美はタクシーで帰るのであろう。

「山崎さん、始発まで後どのくらい?」

「三十分ぐらいですね。今日は学校サボります。家で寝ます」

「そう。私は今日は午後からだわ。一回、家に帰ってから出勤ね」

そこに、喫茶店の老婆がやってきた。売れ残ったケーキをくれるという。それはありがたいのだが、そのまま真由美の横に座ってしまった。暇だったのだろう。孫の話や盆栽の話を一方的に話してくる。ただ、始発まで時間をつぶさなければいけない二人にとってはちょうどよかった。真由美は目を見て話を聞いてやっているが、山崎は窓の外を眺めている。

「あっ!!五月と秋山です」

山崎が外に歩く二人を発見した。

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