私の彼氏
「ここからだと少し遠いですが、右が五月、左が秋山です」
山崎が解説する。
喫茶の老婆もそれを見る。
「あの二人は、ゲイだよ。あたしゃ、ここで何十年と店をやってるから、何でも知ってるのさ」
「……ゲイ?」
山崎は老婆に聞きなおした。
「そう。しかも、ハードじゃ」
「……ハードゲイ? でも、ちょっと待ってください。五月には彼女がいるんですよ。それも綺麗な女です」
山崎は老婆に、そう言った。真由美は黙っている。
「カモフラージュじゃよ。ゲイの人たちの中にはそれを隠そうと、彼女をつくったり嫁や子どもをつくる奴らがいるのじゃ。あの五月という男は、とっかえひっかえやりまくりじゃよ」
もしかして、健介さんもゲイだったのでは? と言いかけたが、山崎は自分の衝動を抑えた。真由美も同じことを思ったのだろうか、ずっと黙っている。
山崎が解説する。
喫茶の老婆もそれを見る。
「あの二人は、ゲイだよ。あたしゃ、ここで何十年と店をやってるから、何でも知ってるのさ」
「……ゲイ?」
山崎は老婆に聞きなおした。
「そう。しかも、ハードじゃ」
「……ハードゲイ? でも、ちょっと待ってください。五月には彼女がいるんですよ。それも綺麗な女です」
山崎は老婆に、そう言った。真由美は黙っている。
「カモフラージュじゃよ。ゲイの人たちの中にはそれを隠そうと、彼女をつくったり嫁や子どもをつくる奴らがいるのじゃ。あの五月という男は、とっかえひっかえやりまくりじゃよ」
もしかして、健介さんもゲイだったのでは? と言いかけたが、山崎は自分の衝動を抑えた。真由美も同じことを思ったのだろうか、ずっと黙っている。