私の彼氏
盗聴テープの内容まで聞いたところで、注文した物がきた。

河合はチョコレートパフェを食べて、少し落ち着いたようだ。

それにしてもこれはひどい話である。山崎は心の底から同情した。と同時にいろいろ聞きたかった。

「いつ別れたんですか?」

河合の涙がとまったところできいてみた。

「昨日よ。別れたというか、店も勝手に休んで、連絡もとってないの」

「復讐はしないんですか?」

「もちろんするわよ。いろいろ考えているわ」

「もしよかったら、私にも手伝わせてください」

山崎は河合の手を握りしめた。

「お願い。一人だと不安で」

河合の目から涙は消え、その目は復讐に燃えていた。

「河合さん、一応確認なんですが、『私の彼氏』の感想ノートの指示は五月から出ていましたね?」

「ええ、そうよ。どうしてわかったの?」


「説明します」


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