私の彼氏
五月を愛する人物がもう一人いた。

田中である。

田中も五月と(セフレでなくて)付き合いたいと思っていた。

田中は秋山に、五月と付き合いたい、ということを始終言っていた。

秋山は焦った。自分は五月の好みを知っている。それは、俺のような男でなく、田中のような顔つきの男であることを。しかも、アッチの方のテクも田中の方が数段上なのである。

敵にして勝てるわけはないし、先に田中に告白されれば、五月は田中にオーケーを出すだろう。



…………。



殺すしかないか。

どうやって殺そう。

三木健介殺しの時と違い、今回は一人で作戦を考えねばならぬ。と秋山が考えたのは田中の死亡する一週間前のことであった。


< 99 / 206 >

この作品をシェア

pagetop