コイ ノ カタチ
「──嘘」


泣きそうなあたしに本物のふわりとした笑みを向けると、アイツはあたしの手を掴んでいた井上の手を解いた。



「特別に答えてあげるよ」


それから、自由になったあたしを、そのまま自分の腕の中に収めた。



「本気だよ。一時も離したくないくらいにね」



──……。


どんな顔で言ったのかは、わからない。


だけど、誰にもわからないくらいに照れてるんじゃないかな、ってなんとなくだけど思った。




「あっ、いの……ギャー!!」
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