コイ ノ カタチ
「ここなら誰にも見られないで、ゆっくり話せるだろ」



どこから出たんだろう。

非常口のような外階段に座らされて、市川もあたしの隣りに並んで座った。



「で、どうした? 話くらい聞くよ?」

「……うぅ……いちかわぁ……」



小学校から一緒だった市川は、あたしのとってはどこか、お兄ちゃんみたいな存在だった。


男の子にいじわるされて泣かされた時、冷やかされながらも助けてくれた。


初めて好きな男の子にバレンタインのチョコをあげる時、どんなのがいいか、相談にのってもらったこともあった。
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