コイ ノ カタチ
私も仕事を任されるようになって来て、時間が合わないことも多くなった。


もし一緒に暮らしてなかったら、もっとすれ違っちゃうんだろうな……。


──そう思うと少し怖くなった。




「“久我先生、消息掴めず”だってよ?」

「ふーん」


ハガキにあった最後の一文を読んで、様子を伺うようにニヤリとすると、同じような顔で返事をされた。


「ま、楽しんで来いよ」

「はーい」



頭の中ではすでに、懐かしい顔ぶれを思い出している、ゲンキンな私がいた。

< 61 / 107 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop