コイ ノ カタチ
別の誰かの隣りで微笑んでるアイツを想像してしまって、あたしは思わず顔を背けた。



「……何でそんな顔するかな」


一気に同じ段まで来たアイツは、あたしの頭をぐっと自分に引き寄せた。


抵抗する間もなく、その腕の中にすっぽりと収まったあたし。



「そんな顔って……、っていうか、させてるの誰よ……」


本当はわかってるけど、それは認めたくなかった。


──こんなことで泣きそうになるなんて。



「そこで素直に泣かないところも好きだけどね」
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