晴れた午後、公園のベンチで【短編】
「ねぇ小淵君。あなたこの辺で育ったんだよね?」
「えぇ、そうですけど?」
小淵は不思議そうにこちらを見た。
「サエキさんてお爺さん、知らない?」
小淵はうーん、と考えこんで、記憶の糸をたどっている。
「茶色い帽子を被ってらしたわ。」
そう付け足すと、ハッとした様子の小淵。
「佐伯さんですね! 知ってますよ!!」
「ほんと!? 今どうしてるのかしら?」
小淵は
少し顔を曇らせた。