晴れた午後、公園のベンチで【短編】
「…どうかした?」
私が心配そうに窺うと、
小淵はぽつりと言った。
「亡くなりました。」
「……え?」
「眠るように……だそうです。詳しくは分かりません。」
私は信じられなかったが、小淵が嘘をついているとは思えない。
私は震える声で問う。
「奥様は? お一人で大変なんじゃ……?」
すると小淵は
驚いたように目を丸くした。
「佐伯さんの奥さんは、何年も前に亡くなってます。」